ここ数日、もうすぐ春か?というほどあたたかい日が続いていますね。
日本のイギリスと言われるほど日照時間が少ない新潟の地もにもお日さまが。
ちなみに日照時間が少なく湿度が高い=美肌をつくる=新潟は美人が多いのです!
異論はおありでしょうけれど美人が多いのです!!
うふふ・・・。
その貴重なお日さまが顔を出した日は台所道具(竹かご、ざる、木べら)を干すチャンス。
日頃お世話になっている大事な道具に風を通したり日にあてたりしています。
なぜか?
それはね、一生おつきあいをしていきたい道具(民芸品)だから。
今日はそんな道具(民芸品)のお話です。
*「みんげい」は「民藝」と表記するべきか悩んだのですが一般的には「民芸」のほうが
おなじみなので建物や本の題名以外の表記は「民芸」としました。
生活道具=民芸品である
ところで民芸品という言葉、みなさまにとっておなじみなのでありましょうか?
というのも私自身、40歳を過ぎるまで民芸品にそれほど興味がなかったのです。
民芸品と聞くと日本昔話や時代劇にでてくるような古くさい昔の道具、みたいなイメージ・・・。
もしくは観光地のお土産屋さんのだいたい奥にあるガラスケースに並んでいるようなもの、みたいなね。
ところがにわかに民芸品に目が行くようになりその頃から時代劇にもハマりだし気がついたら民芸品LOVE♥なおばちゃんができあがっていたのでありました。
そんな民芸LOVE状態な時に出会った一冊の本。
それが外村吉之助・著「少年民藝館」です。
この本は私がよくお皿などを買っていたみんげい店のご店主がブログで紹介されていたものです。
だが4,000円・・・悩んだもののしかし「これは読まないと後悔するぞ」という心の声にしたがい買っちゃった!
もうね、買ってよかったと思いましたよ、まえがきを読んだ時点で。
すこし抜粋しますね。
この『少年民藝館』は見せかけの駄目なもの、着飾った怠けもの、高くて威張っているような道具を捨て、健康で無駄がなく威張らない美しさを備えてよく働く、良い友達を(中略)これらのものを作ったのは、特別に偉い人ではなく、世間に名も知られない普通の工人たちです。(中略)民藝品の美しい形や色とその心がけが、私たちの毎日の暮らしを助け励ましてくれる(略) 筑摩書房「少年民藝館」外村吉之助 まえがきより抜粋
そしてこのすばらしきまえがきで始まる本書には日本だけでなく世界中の民芸品が美しい写真とともに紹介されています。
むしろ、敷物、竹かご、花瓶、風呂敷、絣、茶碗、皿、石像、ブリキ製品、椅子、漬物壺etc.
紹介されているラインナップを見てわかる通り・・・民芸品とはつまり使ってなんぼな品々のこと。
決して飾って眺めるだけのものではありません。
「民藝」という言葉を生み出した柳宗悦も民藝とは用の美である、と唱えていたものな。
ということで民芸品、毎日我が家で大活躍しています。
なお民芸品と混同されることの多いのが「工芸品」です。
おおまかにいえば民芸品も工芸品もその土地に根差した製品であるという意味ではおなじです。
ただ工芸品の場合、頭に「伝統」の文字を頂くことも多く伝統技術の必要や資格保有者・有名な作家が作っているケースもあることから位置づけ的には美術品や芸術品とされていることもあります。
民芸品は一生もの
民芸品LOVEになってから幾年月。
ちょっとずつ我が家にお迎えした竹かごやざる、木べらや木製のカトラリーなどなど。
気がつけばかなりの量に(写真にあるのはほんの一部)・・・。
もちろん毎日のように使っていますが天然素材の製品だけに湿気と水気は天敵です。
逆にそこさえ気をつければそれこそ一生のおつきあいができる、それが天然素材のよさ。
経年変化により色合いが年々変わっていくのもまた楽し。
一生のおつきあいのために使用後は乾いた布でよく水気をふき取り乾燥させることが重要です。
しかしみなさまご安心を。
湿気王国・新潟在住のズボラな私ではありますがいまのところ愛用の品々がカビたことはありません。
最近の住宅およびエアコンのおかげか?
それもあるけれど時々は風通しのよいところで陰干しをするのがカビさせないポイント。
竹や木などの製品はギラギラの直射日光をあてると乾きすぎて割れてしまうこともあるので陰干し、または柔らかい日差しにあててあげましょう。
道具をいたわれば外村さんが書かれていたように「良い友達」として一生をともにできるはずです。
いつかは行きたい民芸品好き憧れの日本民藝館
さて民芸品好きにとって聖地とも言える場所が東京にあります。
いつかかならず行きたい場所・・・それが日本民藝館です。
日本民藝館には民藝の父・柳宗悦の審美眼を通して蒐められた日本および諸外国の新古諸工芸品約17,000点が展示されています。
開館と同時に入って閉館までいたい!!!
日本人だけでなく外国からのお客さまも多い日本民藝館。
世の中が落ち着いたらゆっくりと訪ねたいな・・・。
民芸好きにおすすめのお店と本
では日本民藝館に行けない私はどうしているか?
いや便利な時代になりましたわ~、いつでもネットでお店巡りができるのですもの。
本もね・・・ポチリとすれば読めちゃうのだもの。
もしもまだ民芸好き歴が浅い方がいらしたらね、のぞいてみてください。
うっとりしちゃうから♥
毎日のぞきたくなる民芸品のお店
まず一軒目は民芸品好きならご存知の「中川政七商店(なかがわまさしちしょうてん)」さんです。
もうのぞいていただければ納得のお品ぞろえでありますね。
よみものも楽しい記事ばかりなので民芸品をゆっくりとご堪能あれ。
もう一軒は日本の手仕事・くらしの道具店「cotogoto(コトゴト)」さん。
コトゴトさんもため息が出ちゃう品ぞろえなのですけれど主婦的にはお料理や道具の扱い方の特集記事がたいへんに面白くそして助かっております。
ながめてはうっとりしちゃう民芸品の本
お店のつぎは本です。
まず一冊目は以前にも紹介した荒物屋・松野屋のご店主が書かれた「あらもの図鑑」。
民芸品の紹介もさることながら作り手である職人さんをご店主が訪ね歩く「がんばれ!日本の職人さん」のページがすばらしいのです。
たった1本のワラがざるになっていく様子や職人さんのものつくりに対する思いなどが書かれています。
読むとね・・・もっともっと大事に使わなくちゃ!と思います、本当に。
つづいての一冊はカゴ好きさん向けに「日本のかごーえらぶ・かう・つかう」です。
バッグや物入れ、キッチンツールといった暮らしの道具(民芸品)から花かご・鳥かごの工芸品まで、日本各地で作られた美しいかご250点が紹介されています。
さらにかご使いの名人たちがどのように暮らしの中でかごを使っているか?や、産地のルポ、日本各地のかごの名店も紹介されています。
まさに日本のカゴ好きなら読まねば、な一冊です。
おしまいに
暑苦しいほどのほとばしる民芸LOVE・・・。
みなさま、もうお腹いっぱいよね。
でもですね最後にもういちどだけ言いたいの。
「手仕事からうまれた道具は一生のよいお友達になれます」ってことを。
民芸品のたたずまい、風情、手触り、つかいごこちをぜひあなたにも味わってもらえたらな。
本日のお言葉
使えばわかる