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「アーモンド」を読み終わったら夜が明けていた

韓国文学「アーモンド」 本のこと

みなさま、ごきげんようでございます。

3連休の最終日。
そして来週の今日はひな祭りですよ、ひな祭り……
ついこのあいだ新年のご挨拶をしたと思ったらもう春の節句とはこれいかに。

この連休中にわたしひさしぶりに読書に溺れていました。
いやまぁ年がら年中本が好きで読んでいますけれど
時間を忘れて一気に読んだのはひさしぶり。

かなしいことに年を取るにつれ長時間の読書がほんとうにツラい。
まずは睡魔……気持ちは起きていたくとも止まらぬ生あくび。
そしておめめの限界……目の前の活字がぼんやりとにじむよかすむよ。
ですので最近はキリのいいところでおしまい、続きはまた明日がお約束。

ところがですよ、それらを吹き飛ばす本に出合ってしまいました。
寝る間を惜しむのではなくてちっとも眠くならずに
とにかく先へ先へとページをめくる手が止まらなかったのです。
正直なところ、ちょいと目はショボショボしたけれども
目薬1回使ったけれども
夜から読み始めて読み終わったらうっすら空が白んできていましたもの。
いやーひさしぶりに本を読んで夜をすっ飛ばしたわ。
当然のごとく翌日は「返事がない。生ける屍のようだ」化していました、オホホ。

その恐ろしくおもしろかった本が「アーモンド」です。
昨今なにかと話題の韓国文学です。

2020年の本屋大賞翻訳小説部門第1位を取っているのでもう読まれた人も多いかな?
しかしながらこれから読む人もいるであろうから内容には触れますまい。

だが内容に触れないともうこれ以上書くことがなくなって私が困るのであるからして
ちょいとあらすじだけでもね、ちょっとだけ。

<あらすじ>
主人公は16歳の男の子ユンジェ。
ユンジェは先天的に扁桃体が小さく「失感情症」という情緒的障害を持っている。
じぶんの感情をうまく表せないだけでなく感情そのものを感じることが苦手である。
そんな彼を周囲は「怪物」のごとく忌み嫌った、祖母と母を除いては。
そんな彼の目の前に現れたのがゴニ。
彼とは真逆の激しすぎるほどの感情をぶつけながら生きるゴニもまた「怪物」だった。
感情のないユンジェと激しすぎる感情を持て余すゴニ。
ふたりの怪物が出会ったことでそれぞれの人生が大きく動き出す。

物語の終盤にはふたりをしのぐほどの怪物も出てくるのだけれど
これはもう読んでからのおたのしみということで。

それにしても感情がないとは……理屈ではわかるけれど実感がまったく持てない。
ましてや無人島でひとりきりならいざ知らず、人間社会で生きていくうえで
感情がない=他者に共感・同調ができないとはどれほど大変か。
とくに日本のようにみんなおなじおなじが普通で無意識に求められる社会では。

それでいて他者に共感や同調する=普通というほうが変なのではないかな?
って読みながら思ったり……

なにせ感情がないユンジェの淡々とした描写で綴られる文体のぶん
読者はじぶんの感情全開で読まされるのでありましてなかなかいそがしいのです。

いまちょうど読む本を探している人、
とにかくおもしろい本が読みたい人、
韓国文学を読んでみたい人、
愛について考えたい人、
少年の成長物語が好きな人、
すべての人におすすめできる一冊であることは間違いないのであります。

これから「アーモンド」を初めて読む人がうらやましい。
記憶を消してなんどでも読みたいです。

しかしわたしよ、安心したまえ。
もうちゃんと次に読む本を用意してあるじゃないか。
フフフ積読しておいてよかったわー♡

韓国文学「明るい夜」

こちらは祖母から母そしてわたしへと続く女性たちの100年の物語。
はぁ~たのしみ。
今夜から読み始めます!