最近Twitterで若いお母さんたちと交流する機会が増えました。
自分の娘くらいのお母さんたちがまぶしいお年頃でございます。
そんな中で気になるツイートをたびたび目にします。
いわく「帝王切開で産んでごめんね」「傷跡を見るたびに申し訳なくなる」etc.
自分の出産から20年以上も経つけれどいまだにこの問題はお母さんたちを悩ませているのか!
そこで老婆心(この言葉きらい)ながら帝王切開経験者のおばちゃんがもの申す。
私自身の帝王切開のこと
ブログ内でも時々いっている通り私は双子のお母さんであります。
ということで出産については相談など一切なく最初から「帝王切開ね」と決められておりました。
*双子でも普通分娩をされるお母さんもいます。
ただ私の場合は双子それぞれの頭の位置が違ったために(太鼓の模様みたいな感じ)有無をいわさず帝王切開。
周りに帝王切開の経験者もいない、ネットもない時代なので情報もない、そしてビキニを着る予定もなかった私は「あぁそうか。帝王切開ね。陣痛の痛みを味わわなくてすむならラッキー」ぐらいのお気楽な感じで受け止めたのでした。
では実際に帝王切開の手術後はどうだったのか?
・・・それはもう術後の痛みに悶絶したわけで出産翌日にすたすた歩く普通分娩のお母さんを見ては「いいなぁ」なんてうらやましく思ったことよ。
しかも子供に授乳するたびに傷跡(内臓も含む)に激痛が走る!
そんな思いをしながら授乳した息子たちには後になって「母乳がマズかった」といわれるしさ。
あの時の痛みをどうしてくれようかといまになって怒りがこみあげてきたりしています。
なぜお母さんたちは帝王切開出産で傷つくのか?
なぜ帝王切開で出産すると体だけではなく心まで傷つかなくてはいけないのでしょうか?
昔も今も「帝王切開で出産した」といいづらい雰囲気があるのはなぜなのでしょうね?
皆さまも知っての通り、帝王切開だろうが普通分娩だろうが女性が自分の命をかけて子供を産んでいることに違いはない。
違いがないのにもかかわらず帝王切開というだけでちょっと違う出産した人扱いされる不可思議よ。
ただでさえ出産で体も心も疲れ切っているお母さんたち。
それなのに帝王切開という理由だけで二重三重に傷つけるの本当にもうやめてあげて!
子育てに支障が出たらどうしてくれるのだ。
お母さんたちが傷つく理由1 帝王切開での出産
多くの現役お母さんたちが帝王切開での出産に傷ついています。
傷ついているだけではなく罪悪感さえ感じています。
ツイッター上にはお母さんたちの悲痛な声が。
まさに共感。
緊急で帝王切開となって産後に普通に生んであげられなかったことにすごく病んだ。
息子は保育器からでれず、産後と翌日はふれあうことすらできなかったのもあって。陣痛も経験しなかったし、こんなんでちゃんとお母さんなれるんかな‥
不安だったけど、なんとかお母さん頑張ってます https://t.co/EpTMXZAd3s— かりんと❁8m🦄新米ママブロガー🌈 (@Karintomamablog) January 31, 2020
このツイートをしているかりんとさんとは帝王切開がご縁で仲良くしていただいているのだけれど私は本当に驚いた!
いまでも帝王切開の出産が多くのお母さんたちを悩ませているとういう事実に!!
出産業界って20年やそこらじゃ価値観が変わらないものなのね。
このような思いをお母さんたちにさせているものの正体はなんだろう?
それとも帝王切開をしたお母さんたちが勝手に思い込んでいるだけなの?
という思いが今回の記事を書こうと思ったいちばんの動機です。
お母さんたちが傷つく理由2 傷跡
帝王切開後にお母さんたちを悩ませる理由のふたつめがお腹の傷跡です。
手術前に医師から説明があるとはいうものの傷が自分のお腹に刻まれているのを見た時のかなしさ。
ガーゼの下を初めて見た時の絶望感。
いまは医療用ホッチキスが多いのかもしれませんが私の時は医師の手縫いでありましてそりゃもう傷口がガタガタ。
傷口を見た実母が「ねぇ。よっぽど不器用な人だったんじゃない?」といったほどのガタガタというかザクザク縫いでした。
おのれ~。
私の腹を縫ったお医者め~。←といいつつ顔も名前も忘れました
抜糸後半年もするとケロイド状(医学的には肥厚性瘢痕)になってきたのですがそうしたら今度はかゆい。
術後1~2年くらいの間は痛くはないけれど違和感が常にありましたよ。
着替えるたび、入浴のたび、傷跡をみるのは切ないものです。
なお先ほどご紹介したかりんとさんがご自身の傷跡を勇気をもって公開しています。
同じ悩みを持つお母さんたちにはぜひ読んでいただきたい!
傷跡は時間とともに徐々に薄くなっていきますがそれまでには数年かかりますし薄くなっても完全には消えません。(体質などにより個人差があります)
もっともその頃になると慣れと年を取ることで性格が強くなっているのでそれほど(まったく)気にならなくなるけどね。
追記:傷跡をカバーしてくれるシート
年を取れば慣れる・・・と書いたけれどいま傷跡に切ない思いを抱いているお母さんたちにこれはあまりにも無神経というか、乱暴な言葉だったよなぁ、と前回、記事を書いてからもモヤモヤしていました。
ちょうどそのような折にかりんとさんから「新しい記事を書きました!」とのお知らせが。
おお!これはまさに私のモヤモヤはどうでもいいとしていま悩んでいるお母さんたちに朗報な情報!
そこで今回、追記させていただきつつ紹介させていただくことに。
まずはかりんとさんの記事をお読みください。
読んでくださった?
じゃあ読まれたということでお話しするとさ、なんて便利な優れものがあるの!というのが最初の感想。
そしてなんで私の時代にはなかったんだ~!というのがその次の感想。
いわゆる傷を保護するための絆創膏的なテープは貼られたけれども(現在では帝王切開後の傷跡が肥厚性瘢痕になるのを予防するテープもある)、日常生活が始まってからのカバーシートはありませんでした。
いや・・・もしかしてあったのかもしれないけれどお医者さんからすすめられたことはありませんでした。
性格的に必要ない!って判断されたのでしょうか?
あれだけ雑に縫っておいて・・・なぜよ??
まぁとにもかくにもかりんとさんが記事中でも書かれている通りカバーシートを貼ることで傷跡を隠せる安心感を得られるのは大きいですよね。
もしこれを読まれているお母さんたちの中で傷跡でとても悩まれている方がいましたらいちどカバーシートを試してみたらいかがでしょうか?
お母さんたちが傷つく理由3 都市伝説
ネット上には帝王切開にまつわるさまざまな怪しげな都市伝説があふれています。
2、アレルギーや喘息を患いやすい
3、帝王切開で生まれた赤ちゃんは体が弱い
4、産道を通らないので頭(頭位)が大きい
5、産道を通らないので落ち着きがない
1,2,3については小児期の病気に関連する明確な証拠がないのが現状です。
4,5にいたってはあきれちゃうレベルのお話です。
赤ちゃんの頭の形は出産よりも寝かせ方のほうが影響するといわれています。(これも噂?)
落ち着きがないのは性質や性格、生育環境が関与しているかもしれないけれど産まれ方について論じられている根拠のある説にはお目にかかったことがありません。
今回調べた中で唯一都市伝説ではないのがこちら。
経膣分娩では、肺の羊水は狭い産道を通ってくる過程で外に搾り出されることが多いのですが、帝王切開はいきなり外に出てくるので、肺に羊水が溜まったままであることが多く、そのために呼吸障害を起こしやすいので、生後約1日は保育器内で経過観察します。もし起こったとしても1~3日で軽快する、予後良好な呼吸障害であることがほとんどですが、重症な場合はこども病院等へ新生児搬送になることがあります。
出典元:医療法人社団吉徳会 あさぎり病院「産科案内/帝王切開について」
根拠のない都市伝説が世の中から消えることを願うばかりです。
傷跡よりもお母さんたちを悲しませているものの正体?
健やかなる時も病める時も・・・って永遠の愛を誓ったのに。
子どもを作るとき(だけ)は協力的だったのに。
妻が命がけであなたの子どもを産んだのに。
帝王切開の傷跡を見てあろうことか「気持ち悪い」「コワイ」「女として見れない」などの暴言、私に言わせれば自分のバカ丸出しの発言をされる殿方が少なからずいます。
そしてそのことからセックスレスとなり夫婦関係が上手くいかなくなるケースや妻が精神的に病んでしまうケースもあります。
お腹の傷とおなじくらい・・・いやそれ以上に傷つきますよ、こんなふうに愛するパートナーから思われたり言われたりしたら。
帝王切開後のセックスレスについて興味深い記事を見つけたのでまずはご紹介。
この記事によると帝王切開後の肥厚性瘢痕は形成外科の手術でキレイになるとか。
もちろん傷跡にもよるし手術を受けるとなれば肉体的にも経済的にも考えなければならないことは多いですがそれでもこのような手段もある、と知っていればすこし気持ちに余裕が持てます。
まぁこの記事で紹介されてる方は夫がというよりもご自身が悩んで手術を受けられていますけれど。
しかし帝王切開を予定している夫婦には傷跡のケアやパートナーに対して気をつけることなどのレクチャーがあったらいいのにと思いませんか?
術後の言葉かけにしたって「気持ち悪い」「コワイ」を「痛そうだね」「がんばったしるし」としてくれたらずいぶん違うのに。
ちなみにうちの場合、旦那氏はとにかく痛がりの怖がりなので傷を見て「ごめんね~」って謝っていました。
そして当時の旦那さんができる最大限、育児や家事をしてくれたのでいまも夫婦でおります・・・。
だからこれを読んでいるこれから妻さまが帝王切開をする夫さまへ・・・どうか傷跡を見て妻さまを傷つけたり悲しませたりするような発言をしませんように。
いたわってください。
なにより帝王切開(術後の傷跡や過ごし方など全般)について予習しておくように!
帝王切開出産最大のメリット!
体も心も傷ついているお母さんたちに声を大にしていいたい!
子供が大きくなったらかならず聞いてくるあの質問の時に帝王切開のほうが明確に答えられますよ~と。
ほらあれです。
「ねぇ子供はどこから生まれるの?」というあの質問です。
私も息子たちが幼稚園の頃、本当に聞かれました。
その頃はまだ一緒にお風呂に入っていたので「ココ!」と傷跡を指さしたら「あっそうか」と納得してもらえましたよ。
唯一にして最大限に傷跡が利用できた思い出です。
いやだって本当のことだもの。
通常はどこから生まれてくるかなんてそのうち保健体育の時間に習うもの。
我が家の真実ですからその時が来たら堂々と「ココ!」しましょう。
おしまいに
帝王切開への変な偏見や都市伝説が消えるといいなぁ。
悩んだり悲しんだりしているお母さんたちがいなくなるといいなぁ。
どのような産み方であれ大切なのは生まれてからです!
本日のお言葉
帝王切開の傷が隠れるくらいの腹肉のほうが悩み