2021年4月11日(日)、いい日旅立ち
☆
ベランダにある鉢植えのスダチの木の上で生まれ
葉っぱをひたすらバリバリと食べ
たっくさんの糞をベランダに転がし
太い幹に糸を吐いてサナギになればよかったのに
なぜかレンゲの枯草でサナギになっちゃって
コーヒーの空き瓶に緊急保護されてから半年あまり
昨日サナギ越しにうっすらと蝶の羽の模様が見えて
今日あわててオリーブの枝に枯草ごとひっかけたら
あっという間に羽化してチョウチョウに
別れの挨拶なのか
立派に育った姿のお披露目なのか
家の周りをしばらくゆっくりふわふわと飛んで見せてくれて
そうして青い空の彼方へと消えていった。
残されたからっぽのサナギの抜け殻と私はちょっとさびしい……
☆
☆
元気でね。
いつかお母さんになったらまた戻っておいで。
☆
☆
☆
こうして飛び立ってからおよそ40日後の2021年5月26日。
(この間にじつはおなじスダチの木でサナギになっていたもう1羽も無事に羽化)
ベランダに2羽の蝶がふわりふわりと飛んできた。
なにかを探すようにどこか懐かしそうにずいぶんと長い時間飛び回り
そして……あきらめたように(見えた)また空の彼方へと飛んで行った。
きっとうちのスダチの木で育ったあの子たちだわ!
お母さんになって戻ってきたのだわ!!
ところがなんという悲劇。
彼女たちの実家とも言えるスダチの木が……ない。
正確に言えば葉っぱが一枚もない……
つんつるてんの幹と枝だけが寂しげに残っているのみ。
木が枯れる原因に身代わり説を入れてもいいですか?
たいせつに育てていた3本の木が次々と枯れてしまいました。枯れてしまった理由はいくつかあるのだろうけれどタイミング的にもしかしたら身代わりになって枯れてくれたのかな、と感じています。枯れているかどうかの見分け方もあわせてご紹介しています。
あぁごめんね。
いま里帰り出産に来た娘たちを追い返した母の気分よ。
庭のユズの木に産んでくれてもいいのよ、と彼女たちが消えていった
空の彼方につぶやいてみるものの……
ごめんね。