2021年8月15日。
戦争が終わった日、戦争に敗けた日、から76年目。
こよなく晴れた 青空を
悲しと思う せつなさよ
これは「長崎の鐘」の一節ですが
ほんとうにこの歌詞が沁みる今日です。
というのもいまこの瞬間にも停滞する前線の影響で
降り続く大雨が多くの人々のいのちや生活を脅かしているから。
コロナの爆発的な感染の広がり、
そして日本各地に被害をもたらしている大雨の被害。
その渦中に迎えた終戦の日です。
私の母は1945年生まれなので直接に戦争を知りませんが
父は当時4歳、終戦まであとたった14日前に故郷を襲った空襲の中を
逃げて生き延びた記憶がしっかりと残っています。
そしてその空襲のことを孫たち(私の息子たち)に語って聞かせてくれました。
一方、夫氏の父は終戦当時9歳。
私の父よりも大きかった分しっかりとより鮮明に戦争の記憶は残っているはず。
ですが義父は孫たちどころか自分の息子(私の夫氏)にも一切戦争の話はしていません。
義母からちらりと聞いたのですが義父は終戦時に満州から引き揚げてきたとのこと。
ただ義母も詳しく知らないそうです。
当時の記録や小説、ドラマなどで満州からの引き揚げがどれほど苛烈なものであったかを
多少は知っております……
が、義父の経験したことはそれこそ言葉にできないものだったのでしょう。
息子たちは「おじいちゃん、言えないほど戦争が大変だったんだね」と理解しています。
私の父は戦争を言葉で伝え、
義父は言葉にしないことで戦争を伝えた。
言葉にしなくては伝わらない。
けれど言葉にできない(しない)ことで伝わることもある。
そんなことを思う2021年の終戦の日です。
黙祷。